スーパーの売り場で見かける光景に、生産者の写真、プロフィール紹介がある。
その写真を見るだけで生産者の人柄がよく理解できて、どんな広告よりも説得力・安心感を感じてしまう。
風評被害に遭っている野菜だって手にとってしまう事がある。
普段から売り手と買い手の顔が見える信頼関係を作ることは、本当に大切だと思う。
ソーシャルメディア等のテクノロジーを利用すれば、両者の間の絆作りは決して難しいものではないはずである。
「売り手と買い手の顔が見える」これからのマーケティングのキーワードになると私は思います。

絆は一朝一夕に出来上がるものではない。時間がかかるものである。
顧客へ向けた投資が必要である。
なぜなら顧客だけが商品を売り上げに変える、他の商品に代替え出来ない効用体験を顧客にもたらして初めてブランド価値を生み出す商品やサービスを通じた体験や、店頭でのサービスと対峙した顧客の反応は決して嘘をつかない真実である。

思うに、20年に及ぶ経済の停滞と、その間に2度にわたっての大震災、それらを経て、多くの日本人は、家族、学校の友人、職場の同僚とか自然に与えられた絆とは異なる「信頼という絆」を経験するに至っている。

それを育んだのは、他国にない経済の豊かさであり、社会における信頼感の高さだろう。
そうした日本の土壌の上に生まれ育つ、「誰かと一緒に」という意思と共感は、日本の将来を支える資源の一つに加えてもよいのではないだろうか。

20代の頃にある会社の社長に「点が線になって面になる」
こういいながら白い用紙に、ボールペンで点を打ち、点を結んで線を書き、その点と線が埋め尽くされた用紙は真っ黒になる。
真っ黒になった時、すごい財産になると言われた。

「信頼という絆」そんな財産を弊社は育んでいきたい。

平成25年4月25日
榊原　健司